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「利他の精神」に導かれて
呉地区 月原廣政さん
頑張る保護司
2022.11.27
私が小学6年の時に父が亡くなり、お袋がうどん屋を始めるなど苦労して育ててくれました。その生きざまに触れてきたためか、家庭の温かみを知らない人を見ると、居ても立っても居られない。保護司として、対象者が自分より年上なら「兄貴」、年が離れた少年なら「息子」と思い、家族のように接してきたつもりです。自分の家族が困っていると思え
ば真剣になれるし、上から目線ではなくて同じ目線に立てる。それで初めて役割が果たせると信じています。

かつて体重は58kgでした
保護司歴は20年です。海上自衛隊を定年退職して地元の更生保護施設、呉清明園の補導員に再就職してからです。園では元受刑者や非行を重ねる少年たち、かれこれ800人と寝食を共にしました。当時の私は痩せてガリガリでしたが、大男の少年とも対峙しなければと決意して食生活を変え、無理して肥えたんです。でも、こちらが真剣な思いで立ち向かえば、彼らも決して殴りかかったりはしないし、心を開いてくれる。今の体重? もう元には戻らなくなりました。

自分で自分を褒めてあげよう
人生のやり直しに欠かせないのは住まいと仕事です。
ところが、例えば広島に働き場所が見つかっても、長らく刑務所にいた人が呉から電車に毎日乗って通えるかどうか。私は企業を何社も回っては、宿舎の確保や仕事場への送迎を頼み込んできました。どうしてそこまで面倒を見るのかって? 「利他の精神」でしょうか。誰も褒めてくれなくても、自分で自分に「ようやったなあ」でいい。私は一人で呉の海を見ながら缶コーヒーを飲む。そんな至福の時で十分です。