受刑者に仕事を 月刊求人誌が好評 - 広島県保護司会連合会(広島市)

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受刑者に仕事を 月刊求人誌が好評

株式会社 豊生

山本 晃二 取締役

居場所をつくる

2022.11.27

2015年春、月刊の「社会復帰応援求人誌・NEXT」を創刊。受刑者向け求人案内を掲載し、各刑務所や更生保護施設に送っている。今や知名度が上がり、当初の500部は約3倍に。都道府県社会福祉協議会の
連絡先やフードバンク福山の案内などの関連情報も載せて好評だ。

最初は自分の会社のためでした

受刑者向け求人誌「NEXT」を創刊したのは、何か社会のためになることをしようと思ったのではありません。
自社の人材拡充が目的です。釈放されたら仕事しよう、でも社会は受け入れてくれるだろうかと不安に思う受刑者がいかに多いことか。僕も受刑者だったから、よく分かります。
刑務所の中で読み、うちの会社の電話番号をメモしていて、釈放されたが所持金がなくなったと小倉から電話で泣きついてきたのもいます。
福山までの新幹線代を送金しましたけどね。

光るものを持った人間は必ずいる

だから、うちは求人で困ったことがない。でもね、世の中の企業の多くは「イメージが下がったら…」などとリスクばかり考える。そんな企業のために働こうと思いますか。口幅ったいことを言いますが、彼らも人間です。残りの人生の時間を削って、うちで働いてくれる。まずは感謝の気持ちが雇う側になければ、何も始まりません。光るものをもった人間は必ずいます。自腹で新幹線代を送るように、こっちが踏み込んで、それを探すしかない。僕はずっと、そうしてきました。

どこまで行けば「更生」ですか

うちに預けたら更生する。そんな褒められ方をします。でも、更生って何ですか。どこまで行けば、更生できたことになるのでしょうか。僕だって、短気な自分がいなくなったわけじゃない。子ども、家族、仲間…。そうした「壁」ができて、「心の穴」が表に出なくなっただけなんでしょうね。そんな穴を一緒に埋めるのが雇用主の役割ではないかと思います。おっと、また偉そうな物言いになりました。「更生」を別の言葉に置き換えるなら、「ちゃんと生きる」ですかね。

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